ゼオライト(AFI)中に生成したカーボン・ナノチューブの光学評価

長澤 信方 (東京インスツルメンツ)

5年ほど前、ゼオライト(AFI)結晶中の細孔に単層カーボン・ナノチューブ(SWCN)ができることを香港科学技術大学のグループが発見しました。このSWCNは理論的に安定とされる最小の直径をもち、その種類も(3,3)、(5,0)、(4,2)だけに限られます。細さのために無視できない曲面の効果を考慮すると、(4,2)だけが半導体で、あとの二つは金属と予想されています。この結晶は15K程度で超伝導を示し、これは(5,0)チューブによるものではないかといわれています。しかしながら、従来の試料では均一性が悪く、試料作成法の改善と品質の評価法を確立することが必要です。 私たちは光学的手段による試料評価に興味を持ち、これまで共同研究を続けてきました。

2003年の夏から9ヶ月間、私はこのグループに加わり、この試料の作り方や研究の実情を見聞する機会に恵まれました。特に光学的な手法による試料の評価においては、東京インスルメンツで開発してきた顕微ラマン分光装置:NanofinderÒが有用であり、これを主に使った評価を会社のスタッフと行なってきました。

今回の講演では、この試料の特徴や直径が約0.4nmといわれる細いカーボン・ナノチューブの性質やこれまでの研究の一部を紹介します。また、新しく開発された試料作製法による上質の試料の話題もご紹介し、最近の研究の状況を報告します。

共同研究者:J. T. Ye, Z. K. Tang and P. Sheng ( Department of Physics, Hong Kong University of Science and Technology)

S. Shashkov and I.Kudryashov ( Tokyo Instruments Inc.)